「前より動きが重い気がする」「練習のあと、やけに疲れている」——お子さんを見ていて、そんなふうに感じたことはないでしょうか。成長期でスポーツをしている子は鉄が不足しやすいと言われており、気になったときに知っておきたいことがいくつかあります。ただし、この記事は「うちの子は貧血かもしれない」と家庭で判断するための記事ではありません。実際に足りているかどうかは、血液検査でなければ分かりません。この記事では、鉄という栄養素の働き、見落とされやすい変化、食事での考え方、そして気になったときにどこへ相談すればよいかを、公的機関や学術団体が出している情報をもとに整理しました。
この記事は、一般的な栄養の情報を整理したものです。診断や治療を目的としたものではありません。お子さんが貧血かどうか、鉄が足りているかどうかを、この記事の内容から判断することはできません。
また、鉄のサプリメントを自己判断でお子さんに与えることは、この記事ではおすすめしていません。鉄はとりすぎが体の負担になり得る栄養素です。必要かどうかは、必ず医師にご相談ください。
気になる様子があるときは、まずかかりつけの小児科など医療機関にご相談ください。
なぜ、スポーツをする成長期の子は鉄が不足しやすいと言われるのか
「成長期のアスリートは鉄が不足しやすい」という話を耳にしたことがあるかもしれません。これはなんとなく言われていることではなく、いくつかのはっきりした理由が指摘されています。ここを知っておくと、あとの話が理解しやすくなります。
理由1:体が大きくなる分の鉄が、余分に必要になる
子どもの体は毎日少しずつ大きくなっています。血液の量も、筋肉の量も増えていきます。そしてそのどちらにも鉄が使われるため、大人にはない「増える分の鉄」が上乗せで必要になるのです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、子どもに必要な鉄の量を計算するときには、毎日失われる分に加えて、成長にともなって体にたまっていく鉄(血液中のヘモグロビンに使われる鉄、筋肉などの組織に使われる鉄、貯めておかれる鉄)の増加分を見込んで算定されています。つまり「成長している最中だから多く必要」という考え方が、公的な基準そのものに組み込まれているということです。
実際に必要とされる1日の量は年齢や性別で異なります。具体的な数値は サプリメントについての記事 の中で、食事摂取基準の表としてまとめています。
理由2:運動量が増えると、失われる分も増える
体を動かすと、汗・尿・便を通じて出ていく分がわずかながら増えます。また、着地の衝撃が繰り返しかかる競技では、赤血球が壊れることで鉄が失われることがある、とも言われています。日本内科学会雑誌に掲載された小児・思春期の鉄欠乏についての総説でも、思春期の鉄欠乏の要因として、急激な発育による鉄の需要の増加が主な要因であること、そこにスポーツによる運動量の増加が加わることが挙げられています。
国立スポーツ科学センター(日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター)のスポーツ栄養情報でも、鉄はアスリートに不足しがちな栄養素のひとつとして紹介されています。少年野球そのものが特別に危ないという話ではなく、「体を動かす量が多い成長期の子ども全般に当てはまる話」と受け止めてください。
理由3:そもそも吸収されにくい栄養素である
鉄は、食べた量がそのまま体に入るわけではありません。前述のスポーツ栄養情報でも、鉄は体内への吸収率が低い栄養素として説明されています。「食べているのに足りないことがある」と言われるのは、このためです。だからこそ、あとで触れる「一緒にとるもの」の工夫が意味を持ってきます。
ここまで読んで不安になった方もいるかもしれませんが、ここで説明したのはそういう背景があるという一般的な話です。お子さんが実際に足りていないかどうかは、まったく別の問題で、見た目や様子から決められるものではありません。落ち着いて読み進めていただければ大丈夫です。
そもそも鉄は、どんな働きをする栄養素?
鉄という言葉は聞き慣れていても、体の中で何をしているかは意外と知られていません。難しい話ではないので、ここで整理しておきましょう。
血液の中で、酸素を運ぶ「ヘモグロビン」の材料になる
厚生労働省の情報サイト「e-ヘルスネット」では、鉄は赤血球のヘモグロビンや、筋肉のミオグロビンの構成要素として説明されています。
ヘモグロビンは、血液の中で酸素を運ぶ役割をしているたんぱく質です。肺で取り込んだ酸素を受け取り、全身の筋肉や臓器まで届けます。鉄はその材料のひとつなので、鉄は「酸素を運ぶしくみの材料になる栄養素」と覚えておくと分かりやすいでしょう。
筋肉の中にも、酸素を扱う役目の仲間がいる
ミオグロビンは、筋肉の中で酸素を運んだり、蓄えたりする役目を担っています。こちらにも鉄が使われています。走る、投げる、振るという動きは、筋肉が酸素を使ってエネルギーをつくることで成り立っています。
足りなくなると、どうなると言われているか
e-ヘルスネットでは、鉄が不足すると貧血や運動機能の低下を招くとされ、体内の血液の循環が滞って筋肉への酸素の供給量が減り、筋力の低下や疲労感につながると説明されています。
ただし、ここで強調しておきたいことがあります。「疲れているから鉄が足りない」という逆向きの読み方はできません。疲れやすさの原因は、睡眠不足、練習量の多さ、季節や気温、成長期そのものの変化、風邪などの体調、ほかの病気——いくらでもあります。次の章では、そこをもう少し丁寧に見ていきます。
| 用語 | やさしく言うと |
|---|---|
| ヘモグロビン | 赤血球の中にあり、血液の中で酸素を運ぶ役目をしているもの。鉄がその材料のひとつ |
| ミオグロビン | 筋肉の中で酸素を運んだり蓄えたりするもの。こちらにも鉄が使われている |
| 貧血 | 血液中のヘモグロビンの濃度が低い状態のこと。血液検査で分かるもので、見た目では決められない |
| フェリチン | 体に蓄えられている鉄の量を反映するたんぱく質。血液検査の項目のひとつ |
見落とされやすい変化——ただし「これがあれば鉄不足」ではありません
ここから挙げるのは、「これがあれば鉄不足・貧血」というチェックリストではありません。どれもさまざまな原因で起こるもので、鉄とはまったく関係のないことも多くあります。当てはまる数を数えて判断する、という使い方は絶対にしないでください。この章の目的はひとつだけ、「気になったら医療機関で相談してみよう」と思っていただくことです。
鉄が不足していく過程は、ゆっくり進むことが知られています。前述の日本内科学会雑誌の総説でも、ゆっくり進行する場合は体のほうが調整するしくみを働かせるため、症状に乏しいことがあると説明されています。つまり、はっきりした変化として現れにくいということです。
保護者が気づくとしたら、たとえば次のような、日常のちょっとした違和感でしょう。
- 以前より疲れやすい、練習後の回復に時間がかかるようになった
- 動きが重い、走るのを嫌がるようになった
- 顔色がすぐれない
- 少し動いただけで息が切れる、動悸を訴える
- 立ちくらみ・めまいを口にすることがある
- 集中が続かない、なんとなく元気がない
日本陸上競技連盟が公表している「アスリートの貧血対処7か条」でも、疲れやすくパフォーマンスが低下するときは早めに医師に相談することがひとつの項目として挙げられています。注目していただきたいのは、その先が「サプリを飲む」ではなく「医師に相談する」になっている点です。
原因を家庭で突き止めようとするより、「いつから」「どんなときに」「どんな様子か」を書き留めておくほうが、ずっと役に立ちます。受診したときに、そのまま医師に伝えられる材料になるからです。
あわせて、その時期の練習量・睡眠時間・食事の様子もメモしておくと、話がスムーズに進みます。特別な記録は必要ありません。カレンダーの余白や、スマホのメモで十分です。
なお、めまいやふらつき、ぐったりした様子は、暑い時期であれば熱中症や水分不足でも起こり得るものです。夏場の練習については 夏の水分補給ガイド にまとめてありますので、そちらもあわせて確認してみてください。また、体の痛みをともなう場合はケガの可能性もあります(→ ケガ予防と、痛みが出たときの対応)。
足りているかどうかは、血液検査でしか分かりません
この記事でいちばんお伝えしたいのが、この章です。
貧血とは、血液中のヘモグロビンの濃度が低い状態のことを指します。つまり「血液を調べないと分からない状態」そのものです。顔色、疲れ方、動きの重さ——どれも参考にはなりますが、それだけで決めることはできません。
調べるのは、どんな項目か
日本陸連の「アスリートの貧血対処7か条」では、定期的に血液検査を受け、ヘモグロビン・鉄・フェリチンの値を知っておくことがすすめられています。フェリチンは体に蓄えられた鉄の量を反映するたんぱく質で、鉄が減りはじめたときに早く低下する指標である一方、ヘモグロビンの値は最後に低下するため、ヘモグロビンが下がった時点では体の鉄がかなり減っている、とも説明されています。
ここから分かるのは、「見た目でも分からないし、ひとつの数値だけでも分からない」ということです。だからこそ、判断は医師にゆだねるのが確実です。
基準となる値は、年齢によって違います
貧血かどうかを判断するヘモグロビンの基準は、大人と子どもで同じではなく、年齢によって異なる値が用いられています。前述の日本内科学会雑誌の総説にも、年齢別の値の一覧が示されています。
この記事ではその数値をあえて掲載しません。数値だけが独り歩きして、家庭で「うちの子は当てはまる/当てはまらない」と判断してしまうことを避けたいからです。実際の判定は、年齢・体格・そのときの体調・ほかの検査値を合わせて、医師が総合的に行うものです。
原因を調べることも、同じくらい大切
「アスリートの貧血対処7か条」には、治療とともに原因を検索するという項目もあります。鉄欠乏性貧血には必ず原因があり、治療を受けるだけでなく、消化器系・婦人科系・腎泌尿器系などの検査を受けることがすすめられています。
これは家庭で鉄をとるかどうかとはまったく別の次元の話で、医療機関でしか進められない部分です。「サプリでなんとかする」という発想が危ういのは、こうした確認の機会を飛ばしてしまうから、とも言えます。
息切れや動悸が続く、立ちくらみを繰り返す、顔色の悪さが続く、以前と比べて明らかに元気がない——こうした様子がしばらく続いているときは、原因を自分たちで考えるより、かかりつけの小児科などに相談するのが確実です。受診は「大げさなこと」ではありません。何もなければ、それがいちばんの安心材料になります。
食事で鉄をとるときの考え方
ここからは、日常の食事の話です。診断や治療の話ではなく、ふだんの食卓で意識できることとして読んでください。
鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」がある
e-ヘルスネットでは、鉄は肉や魚に含まれるヘム鉄と、野菜などに含まれる非ヘム鉄に分けられ、ヘム鉄のほうが吸収がよいと説明されています。同じ「鉄」でも、含まれている食品によって性質が違うということです。
| 種類 | 多く含まれる食品の例 | ひとことメモ |
|---|---|---|
| ヘム鉄 | レバー、赤身の肉、赤身の魚(まぐろ・かつおなど)、あさりなどの魚介 | 吸収がよいとされる。動物性の食品に含まれる |
| 非ヘム鉄 | 小松菜・ほうれん草などの青菜、納豆・大豆製品、ひじきなど | 吸収はヘム鉄より劣るとされるが、日常的に取り入れやすい |
「一緒にとるもの」で吸収のされ方が変わる
e-ヘルスネットでは、動物性たんぱく質やビタミンCを一緒にとると吸収しやすくなると説明されています。国立スポーツ科学センターのスポーツ栄養情報でも、非ヘム鉄はたんぱく質やビタミンCと一緒にとることで吸収率が上がるとされています。
難しく考える必要はありません。実際の食卓に落とすと、こんなイメージです。
- ほうれん草や小松菜のおひたしに、しらすや卵を合わせる
- 納豆や豆腐のおかずに、肉や魚のおかずを組み合わせる
- 食事やデザートに、いちご・キウイ・柑橘類などの果物を添える
- 付け合わせにブロッコリーやピーマン、じゃがいもを使う
結局のところ、特定の食品を大量に食べさせるのではなく、おかずの種類が増えるほうが理にかなっているということになります。これは サプリメントの記事 でお伝えした「まず食事を整える」という考え方とも一致します。
練習日は、食事の回数を分ける工夫も
練習量が多い時期は、1回の食事で必要な分を食べきれないこともあります。そんなときは、おにぎりや乳製品などの補食で回数を分けるほうが、無理なく続けられます。補食の考え方は 補食のタイミング別ガイド にまとめています。
ここで挙げたのは、あくまでふだんの食事を整えるための一般的な工夫です。すでに医師から診断や指示を受けている場合は、そちらが優先されます。また、食事を変えたからといって、体調の変化が数日で分かるようなものでもありません。焦らず、いつもの食卓を少しずつ整えていく、くらいの気持ちで十分です。
鉄のサプリメントは、とくに慎重に扱いたい
当サイトでは、保護者の自己判断でお子さんに鉄のサプリメントを与えることを、おすすめしていません。鉄は、足りないことだけでなくとりすぎも問題になり得る栄養素だからです。必要かどうか、必要ならどれくらいかは、必ず医師に判断してもらってください。
とりすぎが体の負担になり得る
日本陸上競技連盟の「アスリートの貧血対処7か条」には、「鉄分の摂りすぎに注意」という項目が独立して設けられています。そこでは、鉄分のサプリメントを摂りすぎると必要な量を超えてしまうこと、そして鉄分が体内に多く入りすぎると、肝臓や心臓などの重要な臓器に蓄積し、体に悪影響をもたらすことが説明されています。
「足りないかもしれないから、念のため飲ませておこう」という発想が通用しないのは、このためです。不足の反対側にも問題がある栄養素だと理解しておいてください。
子どもについては「ここまでなら大丈夫」という線も示されていない
栄養素の中には、とりすぎを避けるための上限量が公的に定められているものがあります。しかし鉄については、子どもも含めて、その上限を数値として示すことが見送られています。
これは「いくらとってもよい」という意味ではありません。むしろ判断のよりどころになる数値がないということであり、家庭で量を決めてよいという話にはなりません。基準がないからこそ慎重に——という受け止め方が適切です。
「注射で入れる」という話は、さらに別次元です
鉄については、飲み薬ではなく注射で入れるという方法をめぐって、実際に問題が起きています。スポーツ庁は2018年度に、教育委員会やスポーツ関係団体などに向けて「不適切な鉄剤の静脈内注射の防止について」という通知を出しました。
この通知では、一部の競技において鉄剤の静脈内注射の不適切な利用の実態が確認されたこと、鉄が肝臓・心臓・すい臓・甲状腺・内分泌臓器・中枢神経などに沈着して機能障害を引き起こしたり、ヘモグロビンをつくる能力の低下を招いたりするおそれがあることが記されています。そのうえで指導者に対し、安易に鉄剤の静脈内注射を医師に求めることなく、医師の診断に従って適切に治療を受けるよう促すことが求められています。
日本陸連の7か条でも、体調不良やパフォーマンスが思い通りでないといった理由で鉄剤注射を受けることは「もってのほか」と、強い言葉で書かれています。注射でなければならないのは、貧血が重症かつ緊急の場合や、鉄剤を飲むことができない場合に限られる、とされています。
小学生の少年野球で直接この話が出てくることは、まずないでしょう。それでも、「競技のために鉄を入れる」という発想そのものが、大人の側で明確に否定されていることは知っておいて損はありません。学年が上がるほど、こうした話に触れる機会は出てきます。
治療が必要なときは、医師のもとで
「アスリートの貧血対処7か条」では、鉄欠乏性貧血の治療の基本は医師に処方してもらう飲み薬であり、ヘモグロビンの値が正常に回復してからも一定期間は続ける、という考え方が示されています。治療は、始め方も終わり方も医師が決めるものだということです。
市販のサプリメントは食品であり、薬ではありません。サプリメント全般についての考え方や、使う場合の注意点は サプリメントについての記事 にまとめていますので、あわせてご覧ください。
鉄を含む製品をすでに使っている場合は、次の受診の際にパッケージ(原材料と成分量の表示が分かるもの)を持参して、そのまま医師に見せてください。やめるべきか続けてよいかも含めて、判断してもらうのが確実です。自己判断で量を増やす・複数を重ねることは避けてください。
女子選手の場合について
チームに女の子がいる、あるいはお子さんが女の子という方に向けて、ひとつだけ補足しておきます。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、女子について月経がある場合とない場合とで、必要とされる鉄の量が別々に示されています。これは体のしくみとして自然なことで、特別に心配すべきことという意味ではありません。実際の数値は サプリメントの記事 の表に載せています。
この年代では、体つきや体力の変化に本人が戸惑うこともあります。そうしたときに、まわりに合わせようとして食事を減らしてしまうことは避けたいところです。食べる量を減らすことは、鉄に限らず、成長に必要な材料全体を減らすことにもつながります。
体調について気になることがあれば、小児科のほか、必要に応じて婦人科も相談先になります。女の子が少年野球をするうえでの環境面や、チーム選び・道具・更衣などの実務的な話は 女の子と少年野球 にまとめていますので、そちらもご覧ください。
心配なときの相談先
「病院に行くほどではない気もするけれど、なんとなく気になる」——実際にはこのくらいの段階でご相談されることが多いのではないかと思います。相談先の候補を挙げておきます。
- かかりつけの小児科——いちばん確実な相談先です。ふだんの様子を知っていることも多く、必要と判断されれば検査についても案内してもらえます
- 学校医・養護教諭(保健室の先生)——学校には身長・体重の記録があり、成長の様子を含めて話しやすい相手です。健康診断で気になる所見があった場合も、まずここが窓口になります
- 自治体の保健センター——子どもの健康や栄養についての相談窓口を設けているところがあります
- 管理栄養士・公認スポーツ栄養士——診断はできませんが、食事の中身を具体的に見てもらえます。自治体の栄養相談や地域の栄養士会の窓口を利用できる場合があります
- 気になる様子のメモ(いつから/どんなときに/どんな様子か)
- 2〜3日分の食事の記録(写真で十分。補食や飲み物も忘れずに)
- 1週間の練習スケジュール(運動量が分かると話が早いです)
- 身長・体重の記録(母子健康手帳や学校の記録)
- 使用中のサプリメントがあれば、そのパッケージ
受診するかどうかで迷ったときは、「行っておく」ほうを選んで問題ありません。何もなかったと分かること自体に価値があります。
まとめ
成長期でスポーツをしている子は、体が大きくなる分の鉄が必要になり、運動によって失われる分も増えるため、鉄が不足しやすいと言われています。鉄は、血液の中で酸素を運ぶヘモグロビンの材料になる栄養素で、足りなくなると疲労感や運動機能の低下につながるとされています。
ただし、実際に足りているかどうかは、血液検査でなければ分かりません。疲れやすさや顔色といった見た目の変化は、原因がほかにあることも多く、家庭で判断できるものではありません。だからこそ、この記事のいちばんの結論は「気になったら医療機関で相談する」という、とてもシンプルなものになります。
そして、鉄のサプリメントを自己判断でお子さんに与えることは避けてください。鉄はとりすぎも体の負担になり得る栄養素で、必要かどうかは医師が判断すべきものです。家庭でできることは、おかずの種類を増やす、練習の多い時期は補食で回数を分ける、といったふだんの食事を整えること——ここに尽きます。
不安をあおるつもりはまったくありません。多くの場合、しっかり食べてしっかり眠れていれば、それが何よりの土台になります。そのうえで「なんとなく気になる」と感じたら、抱え込まずに専門家に相談してみてください。
※この記事は一般的な情報を整理したものであり、診断や治療を目的としたものではありません。この記事の内容から、お子さんが貧血であるか、鉄が不足しているかを判断することはできません。
※気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。また、鉄を含むサプリメントを自己判断でお子さんに与えることは避け、必要かどうかは医師にご相談ください。
※持病・アレルギー・服薬がある場合は、食事の内容も含めて、あらかじめ医師や管理栄養士にご相談ください。
参考にした公的機関・学術団体の情報
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書/ミネラル(微量ミネラル)(mhlw.go.jp)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット(健康日本21アクション支援システム)「鉄」(kennet.mhlw.go.jp)
- 日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター「ミネラル‐鉄」(jpnsport.go.jp)
- スポーツ庁「不適切な鉄剤の静脈内注射の防止について(依頼)」(mext.go.jp)
- 公益財団法人日本陸上競技連盟「アスリートの貧血対処7か条」(jaaf.or.jp)
- 加藤陽子「小児と思春期の鉄欠乏性貧血」日本内科学会雑誌 第99巻第6号(2010年)(jstage.jst.go.jp)
気になったら、まず相談してみてください
この記事では判断できません。かかりつけの小児科や学校の保健室など、身近な相談先を頼るのがいちばん確実です。相談のときに持っていくとよいものは、本文の「心配なときの相談先」にまとめています。
相談先の目安を確認する →